修理費用の負担

貸主負担と借主負担

賃貸経営は家賃収入から必要な経費を引いたものが利益となりますが、必要経費として大きなものに修理費があります。

修理費は修理が必要となる個所が多ければ多いほど費用が大きくなるので家主にとっては修理費によって赤字になる可能性が高くなるものと言えます。築年数が経過するにつれ徐々に大きな修理費が発生することは避けられませんが、他の費用である固定資産税や管理料、清掃料などのいろいろな固定費を削減することもできません。

多くの設備はあきらかに建物に比べて寿命が短いのは言うまでもなく、何十年も修理のないということはありえません。修理については賃貸借契約書内で居住年数によっての負担割合や、修繕義務がどちらかということが明記されている場合もあります。

すべての修理に対して契約書内に記載することは無理ですので、基本は民法に沿って行うことが多いと思います。基本的には経年劣化が原因の設備は貸主負担、少額の消耗品は借主負担という感じです。

計画的な修理

共用部の設備はもちろん貸主に修繕義務がありますが、部屋内部でも設備として使われているものが経年劣化で壊れた時の交換や修理などは貸主負担となります。では借主負担での修理が必要な場合はどのようなものがあるのでしょう。

まずは当然ながら借主が原因で壊れた場合です。

部屋内部や共用部にかかわらず設備だとしても故意でないとしても借主が壊したのであれば借主に修繕義務があります。他、消耗品は借主負担となり水回りなどのゴムパッキン、蛍光灯、電球、障子紙などが代表的な例となります。

ただし、入居して間もない時期に消耗品の交換が必要となった場合は貸主負担で行うことが多いです。所有物件が少ない場合、修理費の大きさによっては赤字となる可能性が高いので事前に修理のための費用を積み立てておくなどの計画が必要です。

マンションやアパートなど一棟を所有されている場合など、戸数が多ければ給湯器やエアコンなど寿命が立て続けに来てしまう可能性がありますので、こちらも計画が必要となります。給湯器やエアコンなどある程度の寿命がわかるものについては壊れる前に交換するなどの対策をすることで突然の大きな出費を抑えるだけでなくクレームやトラブルを防ぐことも出来ます。

借主より不調の連絡が入った後に対処が遅れてしまうと、借主は自ら交換や修理の手配をして費用を貸主に請求できるという権利がありますので修理などは早く対処しなければなりません。