入居者へのアンケートは実施していますか?

分譲マンションの賃貸経営において「空室」は絶対に避けたいところではないのでしょうか。
「長期間借り手がつかない」という事態を回避するために、しっかりと対策をしておきたいものです。
そこで空室対策として重要になってくるのが、入居者へのアンケートの実施です。
この記事では、その重要性とともに、入居者アンケートのポイントや設問例などをご紹介していきます。

■入居者アンケートでやるべきことの優先順位がわかる

アンケートを取ることで得られる情報は、物件の修繕や設備の増強を行う際に非常に参考になるものです。
オーナーが物件の魅力向上のために行ったことが、必ずしも入居者に喜ばれるとは限らないからです。
アンケートの実施によって入居者が不満に思っている部分や潜在的ニーズを知ることで、今後の空室対策として何を優先的に行っていくべきかが自然と見えてくるでしょう。

■アンケートを実施する際のポイント

より効果的に入居者アンケートを行うために大切なポイントが3つあります。
それは、「決まったタイミングでアンケートを実施すること」「回答者に特典を付けること」「アンケートを通じて日頃の感謝を伝えること」です。

・決まったタイミングでアンケートを実施すること
「更新時期の半年前」など、入居者ごとに決まったタイミングでアンケートを取るのがおすすめです。
退去の予定を聞き出すこともでき、回答内容によって退去防止への対策を採ることもできるからです。

・回答者に特典を付けること
回収率アップのために行いたいのが、回答者への特典進呈です。
アンケートを配ってもそれを回収できなければ、まったく意味がありません。
回収時にQUOカード1,000円分をプレゼントするなど、ちょっとしたギフトを用意しておくと良いでしょう。

・アンケートを通じて日頃の感謝を伝えること
たいていの場合、オーナーと入居者が直接顔を合わせたり、話をしたりする機会は少ないものでしょう。
そこで、利用したいのがこの入居者アンケートです。
設問の前や最後に、日頃の感謝を伝える言葉を添えておくことで、気持ち良く回答できるとともに、長期の入居にもつながっていくのではないでしょうか。

■設問にも工夫が必要

アンケートの設問は回答してもらいやすいよう、大部分を「はい・いいえ」の二者択一や、「非常に満足・やや満足・どちらともいえない・やや不満・非常に不満」といった五段階評価で判断できるものにしておくと良いでしょう。
回答の理由を書けるスペースも設けておくと、より入居者の潜在的な要望を知ることができます。
最後に、いくつか設問の例をご紹介したいと思います。

〈 入居者アンケートの設問例 〉
▼住み心地について
・このお部屋での暮らしに満足していますか?
・各設備(キッチン、浴室など)の使い勝手に満足していますか?

▼共有部分の清潔感について
・エントランス、階段・廊下、エレベーターなどの清潔感に満足していますか?

▼建物について
・コンディション、メンテナンス状況について満足していますか?

▼管理会社の対応について
・問い合わせやクレームなどへの対応に満足していますか?

▼立地/利便性について
・駅や学校などとの距離、勤務先などへのアクセスについて満足していますか?
・スーパー、コンビニなどとの距離、利便性について満足していますか?

▼退去について
・近々、引越しの予定はありますか?
・(退去予定がある方のみ)その理由を教えてください
・(設備などへの不満を理由とした退去の場合)どのようなサービスや設備を求めていますか?

▼希望するサービス/設備について
・こんなサービスや設備が付くなら賃料が上がってもいいと思うものはありますか?

アンケートを取ることで、隠れていた不満を掘り起こしてしまうことを危惧しているオーナーも多いかもしれません。
でもそれは、見方を変えれば「入居者の不満や要望を定期的に聞くことで今後の改善に活かせる」ということになります。
きちんと対応していけば、空室対策にもつながっていくはずです。