近頃、賃貸経営の中でもよく議論されるのが、高齢者が入居するということについてです。
これはメリットもあればデメリットもありますし、時代の流れによって受け入れざるを得ないときも考えられるでしょう。
それでは、高齢者を入居させるときのメリット・デメリットはどういうものでしょうか。
■高齢者のメリットは長期間借りてくれる点
まず、最も大きなメリットとしては、高齢者はそもそも長期間借りやすいという点があります。
そもそも高齢者はこれからのライフスタイルの変動が少ないため、比較的長期間借りてくれる傾向が見られます。
年齢が高くなると家族構成の変化や転勤などがあり、長期の賃貸物件となりやすいのです。
長期間借りてくれるので、入居者の変動が少なく、安定して借りてもらいやすいというのが大きなメリットでしょう。
長期間借りてくれるので家賃の変動も少なく、安定経営が望めるでしょう。
■入居者として優秀なこともメリット
次に、賃貸経営の入居者問題が少なく、物件をきれいに使ってくれる、近隣トラブルが少ないなどのメリットもあります。
これは高齢者になるとある程度常識があるため近隣トラブルが少なく、大きな音を出すことなども少ないでしょう。
ルールがあればそれをきちんと守ってくれるので、いろいろなトラブルも起きにくいのです。
また、自分の身辺をきれいにすることを心がけている高齢者は多く、社会人世代より時間も余裕もあるため、物件をきれいに丁寧に使ってくれます。
時間があり入居者同士の交流にも積極的な人が多く、町内会などのこまごまとした地域行事への参加もしてくれます。
このため、さまざまなメリットを得やすいでしょう。
■年金世代なので安定収入もある
メリットとしては、収入がある程度安定していることも大きな点かもしれません。
年金をもらっている世代なのである程度安定した収入があります。
高齢者の場合は貯蓄もしっかりある人が多いので、家賃滞納リスクが少なく、賃貸経営で多発しがちな滞納トラブルも少ないでしょう。
■賃貸経営における高齢者のデメリットとは
とはいえ、この高齢者を入居させるのにはデメリットもあります。
この点も気を付けておきたいでしょう。
・賃貸経営で最も大きなリスク、事故物件
まず、最も大きなデメリットとしては大きな点が、事故物件になってしまうリスクでしょう。
確かに若い世代よりも高齢者のほうが可能性としては高いので、健康や事故に関するリスクは考えておいてください。
ただし、これは若い人でも発生するときはありますから、賃貸経営の入居審査に健康に関する条件を入れる大家さんもいます。
・入居者の収入に不安がある
実は、中には年金などがなく、入居者の収入に不安があるケースもあるでしょう。
収入がない場合や少ない場合も多く、年金があってもあまり金額が少ない場合は特に不安かもしれません。
この場合は貯蓄や資産に関する審査を入居時に行っても良いでしょう。
また、保証人や保証会社の利用なども視野に入れたほうが良いのです。
■最近の賃貸経営では高齢者を無視できない
最後に、高齢者を入居させないというのは昔の賃貸経営ではよく見かけました。
ところが、今では高齢者が多くなり、入居希望者の半数が高齢者という物件も少なくありません。
このため、今では高齢者のみの世帯も増えており、賃貸経営の場所ではあえて高齢者を優遇するところもあります。
このため、高齢者だからといって断るのではなく、その人の資産や健康、入居の理由などを審査して、そのうえで考慮したほうが良いでしょう。