分譲マンションのリフォームで気を付けたいポイント5つ!


経年劣化や家族構成の変化に伴う分譲マンションのリフォームを検討しているなら、工事に取り掛かる前に知っておきたいポイントがあります。
このポイントを押さえておかないとせっかくのリフォームが台無しになることも考えられますので、最低限知っておくべきポイントを5つご紹介します。

■分譲マンションでリフォームできるところ・できないところ

戸建て住宅は変えたい場所を自由にリフォームできますが、分譲マンションの場合はそういうわけにはいきません。
分譲マンションには「区分所有法」という法律をはじめ、さまざまな法的制限を遵守する必要があるからです。
区分所有法には管理規約と使用細則と呼ばれるものがあり、この規則を守って住民が生活することで、各自が快適な暮らしを守れるように定められています。
分譲マンションは専有部分と共有部分の2つで構成されており、基本的には専有部分であればオーナーの判断でリフォームをすることが可能です。
しかし共有部分はいかなる理由があっても、リフォームできません。
すなわちリフォーム可能な場所が専有部分、不可能な場所が共有部分というわけです。
分譲マンションの専有部分とは、玄関ドアの内側からサッシの内側までの独立した居住空間のことを指します。
対して共有部分はマンションの構造部そのものはもちろんエントランスや共用廊下、エレベーターに階段など、分譲マンションに居住している全ての人が使用する場所のことです。

■区分所有法に従って事前に管理組合に申請を

区分所有法はマンション管理における基本的事項が決められており、それぞれのマンションがさまざまな事柄について具体的な詳細を取り決めているのが管理規約です。
リフォームを行うには工事の着工前に、管理組合に申請をしなければなりません。
これはマンション標準管理規約第17条において、マンションのオーナーがリフォームの設計図や仕様書、工程表を添付した書類を管理組合の理事長に提出することと定められているためです。
そのため専有部分を所有するオーナーは必要書類を揃えた上で申請書を理事長に提出し、理事会の承認を得てから工事着工という流れになります。
申請書に添付する工事の作業内容や工程表、図面などの仕様書は、素人が作るのはほぼ不可能でしょう。
そのため工事期間や作業時間をきちんと守り、周囲への気配りも怠らない業者に依頼することが大切です。

■工事中のトラブルを避ける配慮も必要

リフォーム工事中は工事関係者が分譲マンションに出入りすることや工事による騒音などが発生しやすくなります。
そのため工事が始まる前には、近隣住民への挨拶を忘れずに済ませましょう。
基本的には両隣の2軒と上下階の2軒で十分ですが、資材搬入などで頻繁に通らなければならない場所に位置するお宅にも挨拶に行っておくのが礼儀です。
業者が挨拶回りを行うところもありますが、できればオーナーもしくはオーナーの家族が挨拶に出向くことをおすすめします。
また工事期間や作業時間の厳守が必要とはいえ、日曜・祝日まで工事を行うのは避けるべきです。
平日は不在でも休日には在宅している家も多く、せっかくの休日を静かに過ごしたいと考えている住民も多いと思われます。
休日も休まずに工事を行っていると、騒音トラブルなどで隣家や上下階のお宅とのトラブルにもなりかねません。

■共有部分に近い専有部分の工事は要注意

分譲マンションの構造体はコンクリートを主体に構成していることが多く、かつ構造体は共有部分となるため、穴を空けたり削ったりすることはできません。
釘を打つのもねじを止めるのも禁止されていますので、構造体にうっかり釘を打ってしまったということがないようにすることが大切です。
また意外と気付かないうちに行ってしまう工事に、専有部分のドアの外側の色を変更してしまうことがあります。
玄関ドアの内側は専有部分のため色の変更が可能ですが、外側は共有部分となるため色を変えたり、サッシの形状を変えたりすることも許されていません。
またガラスを使用するときにも、色の付いたガラスは原則禁止となっています。
そのほかにも防犯上の観点から、リフォームの際に玄関ドアの内部に取り付ける鍵を増やすこともあるでしょう。
このときどうしても枠やドアの外側に穴を空けてねじ止めしなければならないようなら、先に管理組合の承認を得なければなりません。

■床材選びや作業員の態度などにも気を付けたい

近年は分譲マンションにある和室を洋室にリフォームすることが多く、下の階に住む人とのトラブルを防ぐためにあらかじめ管理規約で床の衝撃音に関する制限を決めているところがあります。
仮に管理組合による制限の取り決めがなかったとしても、リフォームをしたことで階下に音や振動が響くようになってはトラブルを招きかねません。
特にこれまで畳やカーペット敷きだった場合は、床に使用する材料には特に気を遣いましょう。
その他工事に携わる業者の作業員の態度にも注意が必要で、分譲マンションの共用部分を資材で占拠することや十分な養生を行わないことがないように気を付ける必要があります。
作業員がエントランスで喫煙することや大声で会話をしているようでは困りますので、共有部分に傷を付けない工事を行える業者を選ぶことが、分譲マンションのリフォームでは非常に重要です。