日暮里エリアは、東京の北の玄関口として開発が進められているエリアです。
平成13年に立てられた東京都のまちづくり方針においては、重点的に都市整備の推進を行うべきエリアとされる「センター・コア再生ゾーン」に位置しています。
荒川区の都市計画でも重点エリアに指定され、日暮里エリアは北部エリアの中核的都市としても注目度の高いエリアです。
■日暮里エリアはどんな街か
荒川区の都市計画において日暮里周辺は、利便性の高さを生かし「活力と賑わいの拠点」と位置付けられています。
街並みは昭和の雰囲気を色濃く残すエリアもあり、今も町屋を中心にもんじゃ焼き屋が多く残る、レトロ感あふれる区域と言えます。
ところがこうした懐かしい下町情緒の雰囲気に反し、人口増加率には勢いがあるのです。
2017版の東洋経済「都市データパック」によると、人口増加率は4.41%(国税調査より算出)、ハイペースの伸びを見せているエリアと言えるでしょう。
理由はいくつかありますので、それぞれ見ていきましょう。
・都内へのアクセス
山手線を中心に6路線が利用可能であり、東京駅へは直通13分、品川や渋谷、新宿などの主要駅へも乗り換えなしです。
また京成特急スカイライナーでは成田空港駅まで直通41分、JR山手線浜松町駅を経由すれば東京モノレール羽田空港線で羽田空港国際線ビルまでも37分です。
都内へはもちろんのこと、海外へのアクセスも非常にスムーズであり、行動範囲を広く取れる点が人気の理由と言えます。
・下町情緒
谷中銀座商店街、日暮里繊維街など下町情緒あふれる街並みが魅力です。
昭和の良き時代がそのまま残っているような街中は世代を問わず人気があり、都内各所にアクセスの良いエリアとは思えない生活感が住みやすさにつながっていると言えるでしょう。
・子育てにやさしい環境
都心とは思えないほど子育てにやさしい環境が整っており、日暮里南公園には夏はこどもが水遊びのできる噴水広場など遊具も揃っています。
そのほかにもローラー滑り台が人気の日暮里公園、谷中霊園に近い天王寺公園など大小さまざまな公園設備が整っており、近くには上野恩賜公園や上野動物園などスポットもある立地です。
■日暮里エリアで部屋を借りる層は
日暮里エリアは住環境が整っており、すでに区画整理も道路整備も完了しています。
荒川区が教育に力を入れていることもあり子育て支援が手厚く、子育てファミリーに住みやすい環境であることから部屋を借りる層も若い世代の家族層と言えます。
JR山手線沿線駅というブランドを持ち、利便性と資産価値を持ちながら生活利便施設や商業施設が充実している点がほかには特徴と言えるでしょう。
東日暮里エリアは公立の小学校や中学校が徒歩圏内にあり、保育園や幼稚園も多数あるうえに大小さまざまなクリニックも点在しています。
日暮里は「西日暮里」「東日暮里」「谷中」「根岸」の4つのエリアがありますが、特に東日暮里は戸建てが多くファミリー世帯の多い閑静な住宅街です。
谷中は商店街があるものの賃貸物件が少ないことが特徴で、根岸同様古くからの住民が多く、外部から部屋を借りて住む層は少ないと考えて良いでしょう。
・若い世代が多いとは言えない
谷根千などという言葉が一時流行りましたが、若い年齢層が部屋を借りて住むには、住みやすいエリアとはあまり言えません。
山手線内という意味では確かにリーズナブルですが、やはり全体的な家賃相場は高めの部類に入りますし、昨今の開発ブームで相場が上がり傾向にあることも事実です。
メインはファミリー層向け2LDK近辺の物件ですので、予想されるのは30台半ばあたり以降の家族層でしょう。
治安は山手線沿いの中でも特に良いほうですが、住宅街にはあまり街灯がなく娯楽施設は少ないです。
アクセスは良いので、遊びに行くのはほかの街と言えるでしょう。
賃貸経営を考えるのであれば、メインターゲットとなるファミリー層に絞るか、あえて数の少ない一人暮らし層を狙った一棟買いなどを狙う線が考えられます。
いずれにせよ都心ですので、賃貸管理コストの相場も予算に組み込む必要があります。
■日暮里エリアの家賃相場
日暮里駅周辺エリアの家賃相場は以下の通りです。
・家賃相場(2021年現在)
ワンルーム 8万円
1K 9万円
1DK 10万円
1LDK 12万円~15万円
2K 11万円
2DK 12万円
2LDK 15万円~18万円
上記は駅から徒歩10分程度の相場であり、それ以上離れると5,000円ほど相場が下がります。
立地条件からすると山手線沿いの中では非常にリーズナブルで、築年数や駅からの時間に妥協すれば7万円程度の物件を見つけることも可能です。
逆に駅前はタワーマンションや新築物件が増えており、家賃相場は全体的に高めです。
開発によりかなり開きが出てきているエリアのため、全体平均ではなく、駅からのアクセス時間と築年数で比較する必要があります。
日暮里駅周辺エリアを土地価格で見てみると、2020年(令和2年)の段階で公示地価平均が104万6,200円/平方メートル、坪単価が345万8,512円/坪です。
前年比11.46%上昇という面から見ても、現在人気が上昇している注目エリアと言えます。