管理会社を変更する際のメリット・デメリット

管理会社変更のメリット・デメリットをよく理解しよう


不動産経営をしているオーナーは賃貸管理を一括して管理会社に依頼していることが少なくありません。
実際に利用してみたら思うような対応をしてもらえないときや、ほかにもっと低コストで利用できる管理会社を見つけて変更したくなることもあるかもしれません。
管理会社を簡単に変更していいものか迷っている方に、変更に伴うメリットやデメリット、気を付けたい点をご紹介します。

そもそもなぜ変更するのか?

マンション経営をスマートに行ううえでは、賃貸管理のノウハウがないオーナーはもとより、ほかに仕事があって十分な時間が取れないオーナーも、すべて賃貸管理会社にお任せするのが楽です。
管理業務を適切に行い、毎月の賃料を振り込んでくれていれば、問題がなさそうですが、なぜ変更したくなるのでしょうか。
一つには賃貸管理会社によってサービス内容やその質、対応力やスピードが異なるほか、同等のサービスを提供していても費用に差が生じるからです。
オーナーにとっても、入居者にとっても、対応力が高く、スピーディーかつ親身に対応してくれることが望まれます。
また、管理料を払うオーナーとしては、同じサービスならより安いほうが望ましいですし、より質の高い管理サービスをより安いコストで提供してくれる賃貸管理会社があるなら、そこに依頼するほうがメリットが高くなります。
賃貸は継続的に行われるものですから、毎月の管理料や諸費用がかさむとマンション経営の収支にも響いてくるので、注意しなくてはなりません。

・対応力が悪いケース

小さい管理会社で対応するスタッフ数やノウハウが十分でないケースをはじめ、大手であっても管轄エリアが広い、管理物件が多数あるなどの事情で、すぐに対応してほしいトラブルや案件が生じても、スピーディーに動いてくれないケースがあります。
規模を問わず、どのような体制でどのような対応を行うかで質に違いが生じます。
どの賃貸管理会社でも契約前には万全だとアピールしますから、実際に利用してみて対応力の質が悪いことに気づくことも少なくありません。
こうした場合、対応力が良い管理会社を口コミなどでリサーチし、実績の高い管理会社を探して変更するオーナーはいらっしゃいます。
新たな管理会社と契約するうえで、前の管理会社での問題点を告げ、しっかり対応してくれるか要確認を行いましょう。

・費用が高いケース

入居中にマンション内の設備が故障、電球などが切れた場合、入居者はオーナーに対して修繕や交換を求めることができます。
管理業務を委託している場合は、管理会社が代わりに行い、費用をオーナーに請求します。
この費用が相場に比べて高いと感じるケースも少なくありません。
特に大手の管理会社では、入居中にもろもろ生じる諸費用が高くなりがちです。
入居中の修繕や退去時のハウスクリーニングなど、下請け業者や系列会社のサービスを使うケースが多く、中間マージンが発生するためです。
費用の高さはマンション経営の収支に直結するので、変更したくなるケースの代表例となります。

管理会社を変更することによるメリット


管理会社にはオーナーに代わって、賃借人からの要求やクレームに対応したり、近隣住民とのトラブルを解決したり、賃貸している住宅の修繕を行うなど快適に暮らせるようにする義務を担っています。
ですが、中にはスタッフ数に対して抱えている管理案件が多すぎて、迅速な対応が取れないケースも少なくありません。
また、下請け業者やアルバイトなどを雇っていて適切な対応が瞬時に取れず、賃借人や近隣住民との間でトラブルを起こすことや、オーナーに直接怒りが向けられるなど困る事態が起こるケースもあります。
こんな頼りない管理会社に依頼してしまった場合には、すぐにでも変更した方がオーナーにとってはもちろん、賃借人にとってもメリットです。
管理会社は賃借人との関わりも深いので、賃借人にとっても喜ばれる変更なら躊躇する必要はありません。
一方、コストダウンが目的の変更の場合は、単にコストが低減できるだけでなく、業務をしっかり行ってくれるか賃借人のメリットも考えて検討しましょう。
これまでより質の高いサービスをより低コストで提供してくれる管理会社への変更ならオーナーにも賃借人にもメリットです。

管理会社を変更することによるデメリット


管理会社を変更することで、賃借人に少なからず影響を与えます。
住宅設備の故障時やトラブルが起きた際の連絡先が変更されるため、いざという際困らないよう、周知徹底を図らなくてはなりません。
これまで24時間対応だった窓口が、管理会社の変更によって窓口の営業時間が限定されることもあるので、賃借人が不安にならないよう緊急時の窓口対策も必要です。
管理会社が変わることで家賃の支払い方法が変わることもあります。
これまではクレジットカード払いができてポイントが貯まったのが、口座振替のみになってしまう、口座振替の設定をし直さなければならないこともあります。変更点の周知徹底や変更点への理解を求めなくてはならない点は、少し手間もかかりデメリットかもしれません。
もっとも、デメリットは一時的なものです。面倒を回避したい場合、物件が1つであれば、入居者の入れ替わり時に管理会社の変更も行えばよりスムーズです。