賃貸物件の修繕積立金
分譲マンションを所有するとローンの支払いとは別に管理組合に管理費と修繕積立金を毎月納めます。
管理費は日々の管理に使用されますが、修繕積立金は年数を追うごとに必要となる修理個所を事前にまとめた修繕計画などに基づいて行われる比較的大規模な建物の修繕のために使われるものです。
賃貸物件でも年数ごとに建物維持のために必要な修理個所は出てきますが、賃貸物件の場合は賃借人から納めてもらうのは家賃や共益費だけで修繕積立金という名目はありません。あくまでも所有者は家主さんなので修繕するのは賃借人ではなく家主さんだからなのですが、家主さんは納めてもらう家賃の中から想定される修繕のためのお金を意識しておかなければなりません。
基本的には新築時に建築会社から提案や計画書を出してもらっているのではないかと思いますが、計画通りに進むとは限りませんし、空室が多くなると毎月の費用などでなかなか修繕用にお金を残すことが出来ないということも考えられます。
大きな費用がかかる建物保守のための修繕は、ある程度の年数が経ってからになりますし、目に見える劣化だけではないので修繕に対する意識を持ち続けるということは難しいかもしれません。
賃借人に安心して住んでもらう
自分だけが住んでいる家であれば自分が我慢すれよいことですし、危険なことがあっても人に迷惑をかけることがなければ修理しないという選択もあります。
ですが、賃貸物件は人に貸してお金を払ってもらうわけですから修理は必要ですし、危険な状態にするわけにはいきません。
万が一の事故等が起こって賃借人に被害がでることがあれば修繕費とは比べ物にならないほどのお金が必要になってしまう可能性もあるのです。
建物が木造であれ、鉄筋コンクリートであれ足場を組んで防音や防炎、防塵の幕が張られている物件を見ることも多いと思いますが、そのような状態の時は物件を維持するための修繕が行われているのです。壁の塗装であったり、ヒビの補修であったり、防水工事であったり、建物の種類や年数によって必要な工事は変わるので工事の内容は様々です。
長く同じ賃貸物件に住んでいる方は他の物件では修理が行われるのに、自分が住んでいる物件では全く修理がないと感じている人が中にはいるかもしれません。
年数が経っている物件では入居者が安心できるために必要なことでもありますし、しっかりと建物維持をしているというアピールにもなると思います。