管理会社変更での失敗例と注意点
現在の管理会社に不満を持ったり、費用が高いなどと感じて変更したとしても、現在の不満や問題が解決されなかったり、また別の不満や問題が生じれば、変更は成功とは言えません。
現在の問題や不満を解決し、より満足できる管理会社に変更するにはどうすればいいのでしょうか。
失敗例をご紹介しながら、注意すべきポイントをご案内します。
【失敗例1】
対応が遅くなった
大手不動産会社の管理会社はサービスはいいけれど、コストが高いなどと考え、低コストな知名度の低い管理会社や小規模な管理会社に変更した際に起こりやすい失敗談です。
「うちは小規模なのできめ細やかな対応ができます。」「小規模なので小回りが利きます。」「アットホームで親身な対応ができます。」「小さいので費用も抑えられます。」といった営業トークに乗せられていませんか。
対応がきめ細やかで親身、小回りが利くというのは、とてもいい響きです。
ですが、実際にその対応力があるのかを事前によく確認してから変更しないと、言葉に実態が伴わないケースも少なくありません。
人数が少ないために連絡しても後回しにされてしまう、夜中や休日などに対応してもらえない、トラブルを解決できる人材がいないなど十分な対応ができない管理会社もあるので気を付けなくてはなりません。
【失敗例2】
窓口の対応時間が短くなった
管理会社の入居者やオーナーからの対応窓口は24時間365日対応もあれば、休日や夜間は休み、夜間は別の下請け窓口で受け付けのみ対応といったところもあります。
「入居者からの問い合わせなんてそう入りません。」「これまで入居者が連絡したことはあったでしょうか」など、対応時間が短くても大丈夫といったことを強調され、そんなものかなと変更してしまう方もいます。
これまではたまたまトラブルがなかっただけで、変更後に真夜中にトラブルが生じて入居者が困って後からオーナーにクレームが入る事態も少なからずあります。
現在の対応時間より拡大される場合は別ですが、現在より対応時間が短くなる場合には、対応時間外にトラブルが発生した際にどういう対応を取るべきか、よく検討してから変更することが大切です。
【失敗例3】
空き室がなかなか埋まらなくなった
管理会社は入居中の管理だけでなく、入居者の募集サービスまで手掛けているケースも少なくありません。
管理会社を変更後に退去後に入居者がすぐに入らなくなったと不満を漏らすオーナーも多いものです。
入居中の管理内容や対応力の確認はもちろん、入居者を見つける賃貸仲介の対応力があるかもよく確認してから変更しましょう。
【失敗例4】
掃除やメンテナンスが雑になった
マンション1棟を賃貸管理会社に任せている場合の共用エリアも含めた掃除、エレベーターなどの点検や整備、ごみ集積所の清掃業務をはじめ、分譲マンションにおける退去時のハウスクリーニングやリフォームなどが雑になった場合は要注意です。
オーナーとしては安心して任せていると自ら見回りなどをせず、任せきりのケースも少なくありません。
特に投資物件として、居住地と離れている物件を管理してもらっているケースならなおさらです。
たとえば、入居したばかりの賃借人から部屋が汚い、水周りに黒ずみやカビがある、排水溝に前の入居者の髪の毛がビッシリとこびりついているなど、管理会社を超えてオーナーに直接クレームが入って気付くといったケースは少なくありません。
入居者にとって迷惑になるだけではなく、退去時の掃除やメンテナンスが怠られるようになれば、次の入居者が見つかりにくくなり空室リスクも高まります。
また、契約期間が2年、3年と長く、何度も更新が行われるケースもある賃貸契約においては、退去時はメンテナンスの重大な機会です。
オーナーが所有する分譲マンションの資産価値を維持するうえでも、適切なメンテナンスは欠かせません。
いつかは売却を予定している、自分たちで暮らそうと思っているなら、なおさら資産価値の維持も含めて対応してくれる賃貸管理会社に変更するのがベストです。
【失敗例5】
家賃の入金が滞るようになった
家賃の入金が滞るというのは、かなり由々しきケースです。
原因としては大きく2つ考えられます。
一つは入居者が家賃を滞納しているにもかかわらず、適切に督促業務などが行われず放置されているケースです。
もう一つは賃貸管理会社そのものの経営状態が悪化しており、収受した家賃を自社の運転資金や借金返済のための費用などに流用しているようなケースがあり得ます。
いずれにしても質が悪く、空室でないにもかかわらず、マンション経営において最も重要となる家賃が入ってこないというのはかなりの問題です。
ローンを借りて分譲マンションを購入して投資しているようなオーナーの場合、家賃をもとにローン返済をしているケースがほとんどです。
となれば、わずか1ヶ月であっても家賃が入ってこないと、充てにしていたローン返済への充当ができなくなります。
オーナーが本業で得ている収入はマイホームの住宅ローンの支払いで精一杯など、オーナーの資金繰りが一気に悪化するリスクがあるため、早めの変更がおすすめです。