管理会社は変更できる!知っておきたいルールと方法

■賃貸管理会社を変更するにはどうすればいい?

賃貸物件を所有する不動産オーナーにとって、物件の管理を任せる賃貸管理会社はとても心強い存在です。
しかし、中には満足のいく対応をしてくれない、担当者と良好な関係を築けない等の理由で管理会社を変えたいとお考えのオーナーも少なくありません。
そんなときには思い切って管理会社を変更したいところですが、「手続きが面倒なのでは?」、「入居者にも迷惑をかけるのでは?」と躊躇してしまうケースも多いものです。
そこで今回は、管理会社はどのような手順で変更することができるのか、知っておきたいルールや方法についてご紹介します。

■現在の賃貸管理会社における問題点を明確化して検討をスタート

まず初めに、現在、管理を委託している管理会社において、どのような不満や問題が生じているのか明らかにし、それが賃貸管理会社の変更によって解決できるのかを検討しましょう。
問題点や不満点の明確化や求めるサービスを具体化することは、管理会社の変更を検討するうえで、とても重要なプロセスです。
せっかく手間と時間をかけて管理会社を変更したにもかかわらず、解決したかった問題が解消されない、同じ不満が生じてしまう、費用は安くなっても必要なサービスまで削られてしまったでは意味がないからです。
ご自身がどんなところに不満を感じているのか、過去にどんな問題が生じたのかを思い出し、サービス内容や対応力、管理費用などのコスト面についてもじっくり考えるようにしましょう。
また、現在の賃貸管理会社に依頼を決めた際の理由、どんなところに魅力やメリットを感じたのかについても思い返してみると良いかもしれません。
そうすることで、変更後の賃貸管理会社に何を求めているのかが明確になりますし、選ぶ際の基準にもなります。
最初の管理会社の決定時には、賃貸経営や賃貸管理業務に関する十分な知識や理解がないまま決めているケースも多いです。
変更時にはその反省点も含めて、賃貸経営をやってみて得た知識や経験を活かして、間違いのない賃貸管理会社選びを行いましょう。

■賃貸管理会社との契約内容の確認と事前準備

現在の不満や問題点が明確になったところで、次は賃貸管理会社との契約内容を見返します。
管理委託契約を解消する際は、何ヶ月前までに申し出る必要があるのか、契約解消に当たり解約金は発生するのかなどの内容については、必ず確認してください。
もし解約時期までの期間が迫っている場合には、早急に行動する必要がありますが、新しい管理会社が決まる前に解約を申し入れることや先に解約通知を出してしまうのはやめましょう。
よくあるトラブルとして、解約通知後に管理が今まで以上にずさんになってしまうケースもあります。
こういった事前確認や準備がトラブル回避にもつながりますので、怠らずしっかり確認するようにしましょう。

■新しい賃貸管理会社を探して見積もり&比較を実施

次はいよいよ新しい賃貸管理会社の選定です。
最初に検証した改善点や問題点、新しい管理会社に求めることなどを基準に条件に合う管理会社をいくつかピックアップし、見積もりを依頼します。
当然、立地やコスト面での条件も加味したうえで、実際に担当者とお会いし、管理している物件の現地調査や入居状況や空室率などの確認を行いましょう。
その際、なぜ管理会社を変更したいのかといった理由や要望を最初に伝えておくことも大切です。
そうすることで、自社でもその希望には応えられないと明確に返事をくれたり、オーナーの課題の解決や要望を叶えたりするために親身に対応してくれます。
自分の悩みを解決してくれるサービスが明記されていたからと安心するのではなく、より実態に即して対応してもらえるよう、抱えている悩みや課題はしっかりと相談してください。

■新しい賃貸管理会社の決定と現在の賃貸管理会社への解約通知

見積比較や現地調査を経て、自身の条件に合う管理会社が見つかった後は、契約内容の詳細を決めていく作業に移ります。
管理を委託する範囲や条件、費用を明確にしていきましょう。
おおむね内容が固まった段階で、現在の管理会社へ解約の連絡を行います。
解約通知書を送る際は内容証明郵便や配達証明付きの郵便での郵送をおすすめします。
万が一のトラブルにも備えておくことが大切です。
できる限り新しい管理会社との引き継ぎがスムーズに進むよう、オーナーも意識をしましょう。

■新しい賃貸管理会社の決定と現在の賃貸管理会社への解約通知

最後は新しい賃貸管理会社との契約締結と入居者への通知です。
入居者に迷惑がかからないよう、新しい管理会社とは現在の管理会社との解約日翌日を開始日とした管理委託契約を結びます。
管理業務に必要な賃貸借契約書、法定点検書類、その他物件に関する書類や鍵を引き継ぎ、引き継ぎが完了したときには、旧管理会社との間で引き継ぎが完了したことを証明する書面を作成します。
こうした手続きが完了した後、入居者への通知を行いましょう。
賃貸管理会社が変われば、家賃の支払口座、設備の故障に関する問い合わせ先などが変更になる場合もありますので、速やかに通知を行ってください。
新しい管理会社が代わりに通知を行ってくれることもありますので、事前に相談しておくことも大切です。
なお、入居者が転勤や大学の卒業などで引っ越す予定が決まっている状況と賃貸管理会社を変更したいと考えているタイミングが重なるのであれば、入居者が入れ替わるタイミングで変更する方法もあります。
現在の入居者が3月に引っ越す予定であれば、3月末まで現在の管理会社にお願いし、4月から新しい管理会社に切り替えるといった方法です。
もちろん、退去が決まった時点で次の入居者募集を始めておいて問題はありません。
新規の賃貸契約については賃貸管理会社ではなく、不動産仲介業者に一時的に依頼することや新規の管理会社の仲介部門などにお願いすればスムーズです。
入退去のタイミングに合わせることができれば、入居者への影響が少なく済みます。
新規の入居者は新しい賃貸管理会社によるサービスや対応が当たり前となるので、変更に伴って戸惑ったり、困ったりすることもないからです。