一般的にリロケーションってどのくらい費用がかかるの?


転勤や海外赴任、介護などのために実家に一時的に戻る間だけ、自宅を貸したいという場合、一定期間だけ貸せるリロケーションは便利です。
もっとも、転勤や海外赴任、帰郷などで自宅から離れた場所に移り住む以上、自分での管理は難しいものがあります。
そこで、入居者の募集や賃貸管理を不動産会社に委託する場合に、どのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。

■申込時にかかる費用

一般的な賃貸契約の場合、入居者の募集をお願いしただけでは、通常費用を請求されることはありません。
入居希望者が見つかり、賃貸借契約が締結できて初めて、仲介手数料を支払います。
その後、入居者の管理を委託するにあたって、毎月の管理手数料が発生するという流れです。
これに対してリロケーションを不動産会社に申し込むと、その時点で管理委託申込料や保証金と呼ばれる手数料が請求されるのが一般的です。
この初期費用は主として入居者を募集するための広告宣伝料などに充てられます。
通常の賃貸借契約は入居者保護が重視され、契約期間も2年から3年と長いうえ、契約満了時には更新することが可能です。
オーナーが更新をしたくないと思っても、正当事由がない限り更新を拒絶できず、どうしてもの場合には立退料を支払うなどして、入居者が新たな生活拠点を確保できるようにしなくてはなりません。
これに対して、リロケーションは転勤の間だけなど、一定期間だけ貸して、期間が満了すれば、オーナー家族が自宅に戻ることを予定しています。
そのため、借地借家法の改正で新たに設けられた定期借家契約を利用します。
定期借家契約はあらかじめ定めた契約期間が満了すると、更新はできず、入居者は退去しなくてはなりません。
契約期間もオーナーの事情に合わせて1年や1年半、2年や3年などさまざまです。
いずれにしても長く暮らすことができないため、通常の賃貸借契約に比べると家賃は安く設定されますが、それでも、思ったように入居者が集まらない可能性があります。
たとえば、お子様が中学校に通う3年間借りたいのに、契約期間が2年で退去しなくてはならない契約は選ばれません。
通常の賃貸借契約より入居者がなかなか見つからない可能性がある一方、期間が限られるため、少しでも早期に入居者を見つけて貸し出しをスタートさせないと、契約期間満了時にオーナーが戻ってこられなくなるリスクや、空室リスクの長期化による賃料収入が得られないリスクがあります。
そのため、広告や宣伝、入居希望者への案内に通常より手間がかかり、ノウハウが必要なため、最初の段階で費用がかかるのです。

■契約時にかかる費用

オーナーは転勤や海外赴任のため、既に引越していることが通常で、入居者が決まった際に賃貸借契約に立ち会うこともできません。
そのため、契約手続きなどもすべて不動産会社に任せる必要があります。
その費用として、契約事務手数料が必要です。
定期借家契約を締結するための事務手数料であり、仲介手数料とは異なります。
また、賃貸中にオーナーのリスクを保証するための施設賠償責任保険、賃料支払保証や明け渡し保証といった保険料や保証料がかかることもあります。

■入居中の管理手数料

入居中の毎月の家賃収受をはじめ、住戸内で不具合が起きた場合や設備などが故障した際の対応、入居者からのクレーム対応などを行うための費用として、管理手数料が毎月発生します。
申込時や入居者が決まった際のイニシャルコストに加えて、毎月のランニングコストがかかることになります。
転勤中に自宅が貸せるとお得に思えますが、リロケーションで賃貸経営を行うにしてもさまざまな費用がかかります。
いつどんなタイミングでどのような費用がかかるかを、しっかり把握しておきましょう。