分譲マンションのオーナー必見!リフォーム箇所ごとの費用相場


これまで暮らしてきた分譲マンションを住み替えや転勤、海外赴任などのために貸したいケースや親・親族が住んでいた分譲マンションを相続して、貸すことで賃貸収入を得たいとき、スムーズに入居者を決めるための方法としてリフォームが挙げられます。
とはいえ、リフォームには費用がかかるので、負担に感じる方も少なくありません。
それではリフォームには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事でチェックしておきましょう。

■賃貸前のマンションリフォームの必要性

マンションのお手入れが行き届いている、築年数が浅いなどきれいな状態なら、ハウスクリーニングをする程度ですぐに賃貸を行うことも可能です。
その一方で、築年数が経っている、設備などが老朽化しているケースや手入れが行き届いておらず汚いといったケースでは、リフォームしてから入居者を募集したほうが、すぐに入居者が決まり、賃貸収入が得やすくなります。
リフォームしたことで、家賃を高く設定できるなどのメリットも生まれます。
マンションの共用部分は自由にリフォームできませんが、専有部分についてはマンションの構造やマンション管理規約で許される範囲でリフォームが可能です。
どの点に力を入れるか、現在の状態と借りたい人の今どきのニーズを照らし合わせながら検討することがポイントになります。

■きれいな状態が望ましい水回りについて

お風呂場やトイレなどは清潔な状態が望ましく、汚れや老朽化が目立つとなかなか入居希望者が現れません。
キッチンもこだわりのある人が多く、築年数が経過した昔のタイプのキッチンでは人気がない場合があります。
水回りは毎日使う場所なので、築年数を問わず、汚れや劣化しやすい場所なので、ほかの場所は行わなくても、水回りだけはリフォームを行うオーナーは少なくありません。
水回りの工事の場合、システムキッチンの取り換え工事、一例として間口255cmほどのI型にする場合、自社施工のリフォーム会社で40万~100万円程度となります。
金額に幅があるのは、現場の状況や選ばれる商品のグレードによって差が出るためです。
システムバス工事は標準的な1坪、1616サイズで70万~100万円ほどとなります。
古いバスルームには設置されていない、浴室乾燥暖房機の取り付けには15万~18万円かかります。
トイレ工事は和式から洋式への変更の場合で25万~40万円、洋式から最新の洋式トイレへの交換で15万~25万円ほどが相場です。
洗面台の交換は間口75cmほどのタイプで7万~20万円となっています。

■和室のリフォームの相場

築年数が古い分譲マンションや、ファミリータイプのマンションでは和室があるケースもあります。
今どきのニーズと現代のライフスタイルの傾向から、和室よりフローリングや洋室のスタイルが人気です。
一方、外国人などには和室がある分譲マンションが人気のようです。
この点、和室のリフォームでは畳の表替えが1枚あたり5,000~8,000円、ふすまの張り替えが1枚3,000~6,000円ほどです。
これに対して、畳の部屋からフローリングへの変更工事を行う場合は、6畳で15万~20万円、床の間などやふすま、障子、押し入れなどの取り外しから壁なども含めた和室から洋室へのリフォーム工事は6畳で60万~80万円ほどかかります。

■洋室のリフォームの相場

洋室はライフスタイルのニーズに合うとはいえ、フローリングが傷だらけ、クロスがタバコのヤニで黄ばんでいたり、カビによって真っ黒では入居者が現れません。
洋室やリビングのリフォーム工事としてはフローリングの張り替えが6畳で7万~9万円、8畳で9万~11万円ほど、クロスの張り替えが6畳で5万~6万円、8畳で6万~8万円、が相場です。
カーペット敷きの洋室からフローリングへの変更工事なら6畳で9万~10万円となります。

■省エネ性能を高めたいなら

今どきのエコ志向を捉えて、人気物件にする方法もあります。
エコリフォームについてはエコキュートとIHクッキングヒーターを取り付けるオール電化工事が90万~120万円、高効率給湯器への交換で18万~25万円、二重窓の取り付けが1箇所あたり5万~7万円かかります。
そのほか、断熱材工事や自然素材リフォームなども人気です。
ただし、マンションのキッチンでIHクッキングヒーターに交換したい、ビルトインタイプの食器洗い乾燥機を付けたいといった場合や、浴室のガス給湯器を交換して給湯能力や追い炊き機能を付けたい場合は、交換前に確認が必要なことがあります。
新しい設備への設置や交換リフォームでは、電気やガスの容量を上げなくてはならないケースが少なくありません。
分譲マンションの場合、マンション管理規約によって電気やガスの最大容量が決められていることがあります。
これを超えた工事は認められないため、事前に容量をどこまで大きくできるのか希望の機器が設置できるのか確認を取らなくてはなりません。
このように分譲マンションのリフォームには一定の制約があり、すべてを思い通りにできるわけではありません。
慎重な検討を要するとともに、改修箇所の相場を知り、予算と最優先の改装箇所を計画的に見積もって納得のいくリフォームを目指しましょう。