不動産業界が一番大きく動くのは、転勤や進学など大きな移動がある春に向けての2月・3月で、4月には新生活をスタートさせる学生や新社会人がそれぞれの物件に収まります。
ところがこの繁忙期にも入居者が決まらずに空室のままになってしまう賃貸物件もあります。
こうした物件には閑散期の空室対策をすることが必要です。
付加価値の追加、家賃の見直し、管理会社の変更など閑散期にできる空室対策にはどのようなものがあるのか、ご紹介しましょう。
■閑散期に行いたい空室対策!まずは原因の分析から
繁忙期を終えても成約に至らなかった物件があれば、まずはその原因を客観的にしっかり把握することが大切です。
この原因の分析をするのに最適なのが不動産マーケットが落ち着く閑散期です。
エリアによって差はあれども、もともと全国の賃貸不動産物件における空室率は増加傾向になります。
空室になる主な原因として考えられるのが
①入居者がさらに利便性の良いエリアに住み替えている
②共有部分の清掃の不備など物件の管理の不行き届き
③築年数が古くなり、設備が老朽化してしまっている
④近隣に新築マンションなどが建設され賃貸からの住み替えが増えた
⑤近隣の同じ条件の物件と比較して家賃が高い
⑥管理会社による入居者募集や広告などの効果が少ない
などさまざまなものがあります。
こうした理由を踏まえて、まずは費用のかからない空室対策から検討し、リフォームなどを踏まえた対策を採ることがおすすめです。
■まずは物件に足を運んで現状把握を行う
オーナー様にできる最初のステップがご自身で実際に賃貸物件に足を運んで現状把握をすることです。
共有部分の管理はどうなっているか、設備の老朽化はどのような状態かなど、そこに暮らす入居者の目線で客観的にチェックしましょう。
改善・修繕すべきところをしっかりと見極めることができます。
そのうえで、近隣の同じ条件の物件の相場と家賃の比較を行いましょう。
そのうえでむやみに家賃を引き下げるのではなく、さまざまな方法で空室対策を採ることができます。
■入居したくなる付加価値を付けて空室対策を!
特別なリフォームをしなくても、付加価値を付けることで新しい層の入居者を獲得することができます。
たとえば今注目されているのがペット飼育可物件です。
犬や猫を飼いたいと希望する人は年々増加傾向にありますが、実際にペット飼育可の物件は全体の10%前後と言われています。
ペット可物件にすることで、今まで対象とされていなかったペット愛好家の層にアプローチすることができます。
また入居後に好みにプチリフォームできる条件を付けるというのも効果的な付加価値です。
賃貸でも自分らしく暮らしたいというこだわりを持つ入居者にアピールすることができます。
また高齢者対応にするのも空室対策として効果的です。
公的機関の入居支援や補償を受けられるケースもあるので、その地域のサービスを確認してみることをおすすめします。
■繁忙期に向けた空室対策として家賃など経済的条件の緩和を検討する
次に行うのが経済的な空室対策です。
すぐに家賃を下げるのではなく、敷金礼金・更新料などの一時金を減額するなどの対策を検討しましょう。
また、入居後数か月の家賃をサービスするフリーレントなども高い集客効果を見込めます。
そうした対策を行ったうえで最後に近隣相場と比較して家賃の引き下げを検討するのが良いでしょう。
■管理会社の変更も閑散期の空室対策としておすすめです
閑散期にできる空室対策としてまず行いたいのが管理会社の変更を検討するということです。
空室が多いときや入居者の定着率が伸びないときは、管理会社の広告戦略や物件管理にミスがある可能性があります。
より良い管理会社に依頼することで、効果的な空室対策を提案してもらい、常に入居者で埋まっている安定した賃貸経営を目指すことができます。