分譲マンションなどの賃貸物件は、築年数がある程度経過してくるとリフォームを検討することが多くなります。
ここでは、分譲マンションなど賃貸経営を行うオーナーがリフォームを行うときにどんな点に注意すべきか、また相場価格について解説していきます。
■古くなった分譲マンションをリフォーム
分譲マンションを多数抱えるオーナーの大きな悩みとなってしまうのが空室問題です。
立地や家賃価格は問題ないのに、なかなか入居者が決まらないといった悩みを抱えるオーナーも少なくありません。
賃貸物件の空き家問題の早期解決には、リフォームを行うこともベストな選択といえます。
内装や外装のリフォームを行うことで物件の価値を上げ、空室問題をスムーズに解決することにもつながります。
しかし、大掛かりな工事を行うとなると高額な費用を捻出しなければいけません。
そこで近年、多くのオーナーが実践しているのがセルフリフォームです。
自身で賃貸物件の改装を行うことで大幅に費用を抑えることに成功しています。
オーナー自身がセルフリフォームを行うと費用面の負担を軽減することができるだけでなく、イメージに合わせて内装や外装をチェンジすることが可能です。
オーナー自らが施工をすべて行うとなると手間や時間がかかってしまう点がネックですが、少しでも費用を抑えたいという方や理想の物件づくりをしたいという方にセルフリフォームは最適です。
■分譲マンションのリフォームの価格相場
分譲マンションのリフォームを行うと規模にもよりますが、平均で500万円以上の費用が発生します。
築年数が15年を経過した頃から劣化が目立つようになり、清潔感を取り戻すだけでなく住人の安全な生活を維持するためにリフォームを検討するオーナーが増えてきます。
大掛かりなリフォーム工事を業者に依頼して行った場合、1,000万円以上の高額な費用が必要になることもあるでしょう。
リフォームを行う範囲によって費用には大きな差があります。
簡単な内装工事を行うだけでなく配管や配線なども改修するとなると、やはりその分、費用アップは致し方ないことかもしれません。
使用する住宅機器や材料をどのようなものを選ぶのかによってもリフォームの費用は大きく変わってしまうため、メーカーなどもチェックし予算に合わせて行うことが大切です。
事前に費用のシミュレーションを行い、本当に必要な改修のみに注視して施工を行ってみることも効果的な費用対策になります。
■オーナーがセルフリフォームする際の注意点
オーナーが自ら改装を行う際には、施工方法をしっかりと事前にリサーチすることが欠かせません。
思い付きで施工を行ってしまうと思ったような仕上がりにならないだけでなく、不要な材料を購入する場合や間違った施工を行う結果になり、費用が高額なる可能性もあるでしょう。
無駄な費用を出すことなく内装や外装の施工を行うなら十分な計画を立てたうえで実践することが大切です。
■禁止事項を確認し施工を行う
分譲マンションには、物件に合わせて管理規約が設けられています。
オーナーがセルフリフォームする場合にも、それぞれの分譲マンションの管理規約に沿って行わなければいけません。
住民がより良く生活できるように管理規約は設けられており、法的制限を守ることはオーナーが自らリフォームを行う際にも必須です。
分譲マンションには、共有部分と専用部分がありますが、共有部分とは分譲マンションに入居している方たちが共有で使用する部分を指します。共有部分はたとえどんな理由があったとしてもオーナーが自ら改修することや手を加えることはできません。
たとえば、エレベーターやエントランスなどが共有部分となります。
一方で専用部分は、オーナーの判断で施工を行うことが可能です。
一般的に部屋の内側の居住スペースまでを専用部分と定めているケースが多く、この範囲内であればオーナーが自ら施工を行っても構いません。
但し、注意が必要な場所がいくつかあります。
それはバルコニーやベランダ、玄関扉などのスペースです。これらのスペースは一見「専用部分」と思われがちですが「共有部分」にあたります。そのため、オーナーがリフォームを行うことは出来ません。
また、トラブルを避けるために改修施工を行う前に事前に区分所有法も確認しておきましょう。
区分所有法における管理規約には、分譲マンションを管理するうえで大切な基本的な事項がまとめられています。
すべての分譲マンションが同じ管理規約を設けているのではなく、それぞれの物件で具体的な詳細の取り組みが行われているのも特徴です。
区分所有法を確認してみるとマンションオーナーがリフォームを行う際には、必要書類を理事長に提出し承認を得てから工事をスタートする旨が記載されています。
申請書には、工事の内容や図面などを添付しなければいけないため、専門的な知識が必要です。
スムーズにリフォームを進めるには、多数の専門的な知識がある業者に相談してみることも解決の近道といえるでしょう。
コスト面の負担を軽減するには、オーナー自らが施工を行うことも最適な方法です。
とはいえ、管理規約を守らなければならないだけでなく、施工時の負担もあるため、まずは事前にしっかりと計画を立ててからリフォームを行うことをおすすめします。