マンションを貸したい!賃貸経営で知っておきたいポイント

現在暮らしている分譲マンションに急な転勤などの事情で暮らせなくなった際、あなたがマンションオーナーだとしたらどうしたいと思いますか。
マンションを貸したいと思っても、賃貸経営なんてしたことがないから、どうしたら良いかわからないという場合に、知っておきたいポイントについてご紹介します。

■一時的に住めなくなったら

急な転勤や海外赴任、親の介護などで実家に戻る必要があるなど、さまざまな理由で現在暮らしている分譲マンションに住むことができなくなることがあるかもしれません。
もう住まなくなるのであれば、売却するということも考えられます。
ですが、転勤を終えたら戻ってくる、親の介護の必要がなくなったら戻ってくるなど、一時的に住まなくなる場合はどうしたら良いでしょうか。
戻るまでそのままにしておけば良いという意見もあるかもしれません。
もっとも、住宅ローンを返済中である場合など、ローンを払いながら、転勤先でも家賃を払わなくてはならないとなれば、いかに勤務先から家賃補助などがあっても、負担が大きくなります。
そこで、住まない間だけ貸したいという方も多いのではないでしょうか。

■一時的に貸したい場合の注意点

転勤している間だけ貸したい、親の介護が終わるまで貸したい、戻ってきたときには入居者に出ていってほしい、気軽に考えてしまうかもしれません。
ですが、通常の賃貸契約では契約期間を定めた場合、原則として契約期間満了時に更新がなされます。
更新をしないためには、入居者のほうから1ヶ月前までに解約の申し入れがあるか、オーナー側から6ヶ月前までに正当な事由を示して更新しない旨の申し入れをする必要があります。
6ヶ月前と期間も早く通知しなくてはならないうえ、正当な事由はなかなか認められず、入居者が次に暮らす場所を確保できるよう、立退料の支払いが求められるなど手続きも面倒で、コストもかかってしまうのです。
そのため、一時的に貸したい場合には、気軽に貸そうと考えてはいけません。

■定期借家契約の検討を

借地借家法に定められる、通常の賃貸借契約では入居者の保護に重点を置いているため、簡単には解約できないことになっています。
このため、以前は転勤や海外赴任などによって一時的にどうしても貸したいという場合は、戻ってきたときには出ていってくれる親族や友人など、条件に同意してくれた気の知れた人にしか貸せませんでした。
ですが、ライフスタイルの多様化や賃貸人側も一般個人の賃貸経営の素人が増えてきたことをかんがみ、定期借家契約が導入されました。
定期借家契約を用いれば、あらかじめ定めた期間が満了すると、更新はなされず、入居者は退去しなくてはなりません。
もっとも、最初の期間を何年に定めるかは悩みどころです。
転勤や海外赴任の期間が2年とか3年と決まっているなら、その期間だけ貸し、仮に転勤が伸びた場合には、改めて入居者を募集して再び、延長された年数だけ定期借家契約を結ぶといった方法も考えられます。
なお、定期借家契約は定まった期間だけしか住めないため、通常の賃貸借契約の家賃相場に比べると、やや家賃を低く抑えないと借り手が現れないことがあるので注意しましょう。

■不動産会社に相談を

いずれにしても入居者を募集することや定期借家契約の条件をしっかり定めて貸すには、初心者では困難です。
定期借家契約の実績が高い、不動産会社に相談することが必要です。
また、転勤中や海外赴任中、介護などをしていれば、ご自身での賃貸管理も困難を極めます。
そのため、管理はお任せでき、毎月の家賃だけしっかり受け取れるような賃貸管理まで任せることができる不動産会社を選びましょう。
分譲マンションを一時的に貸したいオーナーは、注意点、ポイントをしっかり把握してから相談してみてください。