長期空室が続く3つの原因とは?改善策を紹介

賃貸マンション経営を行っていくうえで、最も避けたいのが長期空室です。
収入源となる賃料が入らない状態が長く続けば、赤字経営に陥るリスクが生じます。
長期空室が続いてしまう原因を知り、改善ポイントを理解して空室対策を講じていきましょう。

■空室対策をするためには長期空室が続いてしまう原因を知ろう

長期空室は賃貸経営に大きな打撃を与える要因になりますが、オーナーによってはわずか数ヶ月、中には1ヶ月空室が出ることでさえ影響を受ける方もいます。
投資物件をローンで購入し、賃料で返済をしようと計画しているケースでは、たった1ヶ月賃料が入らないだけでも困るものです。
少ない年金の補填にしたい方など生活費として利用したい方にとっても、打撃は大きいです。
継続的で安定的に賃料を得るためには空室対策が不可欠ですが、適切な対策を講じるためには、なぜ長期空室が続いているのか、その原因を探らなくてはなりません。
その物件固有の原因や地域の実情もあり、どの物件も同じ対策を採れば解決できるわけではないからです。
ここでは、考えられる代表的な原因についてご紹介します。

・空室対策に向けた長期空室の原因その1 :築年数の経過や老朽化

これまでは順調に賃貸経営ができていて、入居者が絶えることがなかったのに、ここ最近になって退去後に入居募集をしても、賃貸契約に至らない場合、築年数の経過や老朽化が進んでいないか見直してみましょう。
特に入居希望者が内見した際に反応が悪かった、内見しても契約に至らなかった場合、建物の外観や室内の印象が悪かった場合や問題があったケースが考えられます。
築年数が古く、建物が供用エリアが汚くなっている、室内の設備が古い、間取りが今どきでないなどの状態になっていませんか。
近隣で入居者が絶えない築年数の新しい物件やリフォーム済み物件と比較してみましょう。
近年は部屋数が多いより、広いワンルームが人気があり、和室があるよりフローリングの洋室のみのほうが人気があります。
また、洋式トイレであってもウォシュレットが付いていない、水回りの設備が古臭く汚いままなど不衛生に見える、エアコンが常設されていない、インターネットが利用できないなども、新しい物件に比べて不利な状況となりますので見直しが必要です。

・空室対策に向けた長期空室の原因その2 :競合する物件の増加

賃貸経営を始めた当初やスムーズに入居者が見つかっていた時期に比べて、競合物件が増えていませんか。
近隣に居住しているオーナーであれば、新しいマンションの建設が始まっただけでも敏感になるものですが、離れた場所に住んでいて、実際に自らの物件に足も運んだことがないようなオーナーの場合、エリアの賃貸情報などを頻繁にチェックしていない限り、競合物件の増加に気づかないケースがあります。
投資用マンションを購入する方の中には、地方在住で専門業者に勧められるままに都心の物件を見もせずに購入することや都心居住者が地方の格安物件を見ることもなく、利回りだけ見て購入するケースも少なくありません。
すると賃貸経営後も、近隣エリアの変化に気づけないことがあります。
少子高齢化が進み、地域を問わず、需要が思うようには伸びなくなっている中で、競合物件が増えれば、通常はより新しく魅力的な物件に入居者が流れてしまいます。

・空室対策に向けた長期空室の原因その3 :需要の減少

特に老朽化が進んでいるわけでもなく、競合物件が増えているわけでもないのに入居希望者が現れない、問い合わせさえないといった場合、地域における賃貸需要やその物件の間取りや広さに応じたターゲット層の需要が減少しているおそれもあります。
少子高齢化が加速する日本では、地域を問わず、賃貸需要減少の傾向が見られます。
地域の実情の確認や情報収集を長く行っておらず、近隣の大学がほかの場所に移転したのに気づかずにいた、大きな工場が閉鎖されたのを知らなかったなど、賃貸需要が減る原因がなかったかも確認し直しましょう。

■長期空室を改善する空室対策

長期空室を改善するための空室対策も、原因ごとに行っていくことが、無駄がなく効果的です。
原因ごとに、どのような対策を講じれば良いか見ていきましょう。

・長期空室を改善する空室対策その1 :築年数の経過や老朽化への対応

マンションの建物自体の老朽化や汚れの改善は、マンション管理組合の計画に基づく大規模修繕工事を待つ必要がありますが、室内についてはオーナーが自らの費用とタイミングでリフォームできます。
和室をフローリングにする、汚れが目立ちやすく落ちにくい浴槽や洗面台を新しいものに変える、トイレは最新のウォシュレット機能付きにする、キッチンはおしゃれなカウンター式にするなど、最新トレンドを採り入れていきましょう。
また、エアコンを完備し、インターネットを引くことも今の時代には必須です。
新しい物件のほとんどが、エアコン完備、インターネット引き込み済みだからです。

・長期空室を改善する空室対策その2 :競合する物件の増加への対応

競合物件への対応策は、ほかの物件との差別化を図るか、負けないように手段を講じることが必要となります。
他物件のほうが新しく、間取りや設備で負けている場合、やはり、リフォームは一つの対抗策になります。
また、賃料をはじめ、敷金や礼金などのリサーチも重要です。
築年数が古く、間取りや設備も古いのに、競合する同じ広さや同じターゲット層の物件と同じ賃料である場合やそれよりも高いとなれば、競合物件に入居者が流れるのは至極当然の流れです。
また、近年は敷金や礼金はゼロ、最初の1ヶ月賃料無料といったフリーレント物件や家具、家電付きですぐに住める物件も増えてきました。
にもかかわらず、敷金も礼金も2ヶ月、3ヶ月にしたまま募集をかけても、初期費用がかかるので見向きもされません。
必要に応じて、競合物件に負けない策を講じましょう。

・長期空室を改善する空室対策その3 :需要の減少への対応

需要が減少している原因を突き止め、今後もエリア全体が供給過剰状態が続くのであれば、売却したうえで、需要が見込めるエリアに新たに購入し直すのも一つの方法です。
売却せずに空室対策を講じるなら、新たな需要を見つけてターゲット層を変更するのも一つです。
学生をターゲットにしていたワンルームマンションを、一人暮らしの高齢者や小さなお子様を連れたシングルマザーに対象を広げることや社会人の一人暮らし向けに設備をグレードアップしたリフォームを施すのも空室対策になります。