賃貸経営で気を付けたい落とし穴~失敗リスクの回避策~

賃貸経営で成功すると、貸している戸数も多ければそれなりの大きい収入になります。
ただ目先の利益ばかりを見つめてしまうと、後から手放さなければいけない事態にもなりかねません。
収入も入ってくる分出ていく費用もありますし、逆に誰もマンションやアパートを借りたいという方がおらず、ずっと空室になってしまうケースも考えられます。
あらゆる状況に備えて、失敗リスクを考えておくと安心です。

■賃貸経営ではマンションの空き室に悩む方が多い

入居者がどのくらいまで住んでくれるかどうかというのはわかりにくい側面もあります。
急に転勤や結婚、実家に戻らなくてはならないなど、さまざまな状況が考えられます。
すると短い期間しか住んでいない方が、1年未満で出ていってしまって空き室になる期間が長引くケースもあるのです。
さらに繁忙期にもあたる3月から4月ではなく、ほとんど動きの少ない閑散期に空いてしまうと、長い間収入がゼロになってしま場合も考えられます。
入居する方が学生の場合には、学校の卒業とともに出ていく可能性も高いです。
まずは入居者がどのくらい住んでくれそうか、出ていくと決まった後はすぐに広告などを出し空く期間を短くするようにしましょう。
空き室になっている間も、ローンや固定資産税ばかりがかかります。

■失敗リスクを回避するために空き室対策をするには

入居者がいくつかのマンションで迷っている場合、その方の要望に近づけるようにしましょう。
無理難題の要望であれば難しいですが、自宅に通常だと置くことが難しいものを置きたいと言われ、対応できるとわかると決めてもらえる可能性が高くなります。
ほかには学生さんで2年から4年前後しか住まない場合、家具付きは喜ばれます。
主要なベッド、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機をあらかじめ付けておく、一人暮らし向けのマンションであれば水道料金を定額制にするなどメリットを作っても良いでしょう。
引越しのときは入居者にとってもお金がかかる時期ですので、好きな家具を購入できる1万円分のクオカードや商品券プレゼントなども喜ばれます。
ほかのマンションよりもお得感を入居者に与えられると、空き室ばかりという失敗リスクを防げるでしょう。

■家賃が滞り入ってこないという失敗リスク

入居者が毎月家賃を支払うのは当たり前のことなのですが、その当たり前ができない人も中にはいるのが現実です。
滞ったとしてもすぐに退去させられないため、賃貸経営をしているオーナーが苦しむようになります。
借地借家法でも、家賃が滞納されても無理に退去させることを禁じています。
後から大変な思いをしないためにも、貸す前の最初が肝心です。
まず入居者と会い、人となりを見てだらしない雰囲気やお金に不安がある感じの人物ではないかチェックしましょう。
さらに職業なども見て、連帯保証人も必ずつけてもらうようにしその方の収入や持ち家も確認しましょう。
最近では家賃保証会社というものがありますので、入居条件としても入れておくのも手です。
万が一入居者が家賃を払ってくれないとなっても、保証会社が代わりに払ってくれます。

■修繕費が払えなくなる失敗のリスクにも備えよう

賃貸経営者の方は、入居者の方が故意でわざと壊したなどでなければ、修繕費を支払うリスクがあります。
マンションが仮にずっと空室だったとしても、老朽化から修繕が必要になる場合もあるのです。
細かなもの、たとえばエアコンやトイレ、浴室などの設備などは修繕が必要になる頻度も多いでしょう。
通常使用での故障、劣化、交換費用すべて、賃貸経営者であるオーナーの負担になってしまうのです。
目安ですが、10年目くらいまでには鉄部塗装、外壁塗装、シーリング、電気コンロなどが修繕必要になってきます。
さらにもっと経つと、今度は大きく予算も必要になる大規模修繕も視野に入れなければなりません。
入退去に伴うクリーニングやマンションの共用部分でもあるエレベーターもかかります。
そのためにも失敗リスクを回避するため、家賃の5%から10%は毎月積み立てておきましょう。
少し多いのではないかと思うくらいに貯めておくと、いざというときも安心です。

■賃貸経営でマンションを購入するなら購入前から計画を立てておきましょう

儲けたいという気持ちだけで、そのときの気持ちで安易に考え購入をしてしまうと失敗リスクが高まります。
不動産営業マンに相談をすると、良い話を聞けて得な話にばかり耳を傾けてしまうかもしれません。
上手に営業トークをしてきますので、本当はリスクになる話も前向きないい話に聞こえることもあります。
今だけ経営するわけではないですし、長い視野で考えなければいけません。
具体的に支出がいくらくらいになり、どのくらいのお金が必要になるのかを計算してみましょう。
そして普段からも余剰金を残す努力をし、いざ何か起きても慌てないようにする必要があります。
入居者と直接会って話をしながら人となりをチェックし、これまでのマンションの修繕履歴を見るのも大切です。