投資用マンションを高く売却できるタイミングとは?

賃貸マンション投資を行ううえでは、長く所有して賃貸収入を得るだけでなく、タイミングを見計らって売却益を得ることも重要なポイントとなります。
所有するマンションを売却するタイミングや高く売れるコツについて、検討していきましょう。

■投資用マンションで利益を得るには所有するだけでなく売却もポイントに

投資用マンションには大きく分けて2つの利益が期待できます。
1つは継続的な賃料収入というインカムゲインです。
もう1つは、タイミングを見計らって売却益を得るキャピタルゲインです。
賃貸経営においては長く所有し続けて、継続的に賃料収入を得る道もありますが、マンション投資で効果的に利益を上げ続けていくうえでは、売却もポイントになります。
なぜなら、マンションはいずれ老朽化していくからです。
築年数が経過し、マンションの経年劣化が進めば、大規模修繕工事をはじめ、いずれは建て替えの必要も生じます。
建て替えをするとなれば、新たに建築されるまでの間は賃料収入も得られなくなるだけでなく、建て替えにあたって追加資金の拠出が必要になるケースが少なくありません。
余計なコスト負担や賃料収入が途絶えないよう、長く所有し続けるのは避けたほうが賢いのです。
建て替えまでに至る年数を経過しなくても、築年数が経過するにつれ、退去者が出た際に次の入居者が現れにくくなります。
新築物件に人気が集まる結果、賃料を下げないと貸せなくなるリスクもあります。
こうしたリスクを避け、効率的に利益を上げていくうえでは、タイミングを見て売却し、新しい投資用マンションを購入するのがおすすめです。

■投資用マンション売却で利益を得るには

キャピタルゲインの基本は、売却価格から購入価格を控除してプラスになることです。
もっとも、物件の立地や経済状況にもよりますが、売却価格が購入価格より高くなるケースは限られています。
なぜなら、通常は築年数の経過と老朽化により、購入価格よりどんどん価値が下がっていくためです。
一方で、都心部の人気エリアなど資産価値が下がりにくいエリアの物件や不動産投資のニーズが高いのに投資用マンションの流通数が限られるエリアでは、購入価格以下に下がらないケースやよりプレミア価値が付くケースも少なくありません。
だからといって、好きなタイミングで売却できるとは限りません。
不動産の価格は地域の事情だけでなく、日本経済の動きや世界の動きにも影響を受けるためです。
ローン金利の引き上げなどの金融政策や税制改正などの影響をはじめ、世界的な株の大暴落や感染症の拡大など、予見しない事態で大きく値下がりすることや期待していた価格に値上がりしなくなり、塩漬けとなるケースもあり得ます。
日本経済に大きな打撃が起きた場合など、そのまま保有した場合に賃料が払えなくなって入居者がいなくなるといった事態も考えられるため、運用期間に生じたインカムゲインなども踏まえて、トータルで利益が得られるかのシミュレーションを行うことも大切です。

■投資用マンションを売却するタイミング

投資用マンションを一番うまく売却するタイミングは、購入価格より値上がりし、これ以上値上がりが期待できず、後は下降に向かうだけといった、値上がりのピークで売却することです。
そのためには常に不動産市場の動きを注視するとともに、国内外の経済の動きと将来まで見通してピークに達するという高度な判断が求められます。
この判断は経済アナリストなどの専門家でも難しいため、最大のピークに達するまで待つのではなく、事前にどの程度の利益が出たら売却するかの目標値などを定めておき、それに達すれば売るというのも一つの方法です。
また、1つの物件を売っておしまいではなく、次の投資用マンションを購入する予定があるのであれば、次に投資したいと思う物件が見つかり、高い利回りが期待できる場合も一つの売却タイミングになります。
まだまだ値上がりするかもと迷っている間に、購入したいマンションの価格が値上がりしてしまうことや投資価値の高い希少物件であったのに、ほかの人に買われてしまうリスクもあるため、売ろうとする物件と新たに手に入れたい物件を購入するタイミングのバランスも踏まえなくてはなりません。
この点、売りたい物件が購入時より値下がりした場合や目標価格に達しなくても、必ずしも損をするわけではありません。
なぜなら、投資期間中に賃料収入が入ってきたほか、減価償却による節税やローン購入による減税などの利益を得ているからです。
購入価格にこれまでに得られた賃料収入と節税による利益を加え、購入時にかかった諸費用と投資期間中に支払った必要経費などを差し引き、利益が出ているのであれば、売却価格が購入価格を下回るタイミングでも利益を得ることが可能です。

■投資用マンションを高く売却するコツ

投資用マンションを高く売却するには不動産市況を見極めるマーケットリサーチ力や高度な判断力を養うこと、値上がりだけを追求せず、投資期間中のトータル利益で判断するのも一つのコツになります。
また、売る際に余計なコストや手間をかけず、売ることを決めたら、その日のうちでも売るくらいのスピード力もコツになります。
売りに出した投資用マンションを購入するのは、多くは不動産投資家です。
不動産投資家や計算上の利回りや価格が重要であり、マンションを下見することなく買う場合が多くなっています。
特に海外投資家や地方在住者が都心のマンションを買う場合や都心居住者が地方のマンションを買う場合はそれが一般的です。
そのため、居住用の分譲マンションなどでオーナーがやりがちな、築年数が経過したからリフォームして査定額を上げようなどと考える必要はありません。
そもそも、投資用マンションはオーナーチェンジが可能なので、入居中の売却ができます。
入居者が途切れたタイミングでリフォームして、少しでも価値を上げようなどと考える必要はないのです。
投資用マンションとして購入したい投資家にとっては、入居者が途切れた空室のマンションより、入居中ですぐにでも賃料収入が得られる物件のほうが、購入ニーズが高いためです。
高い家賃で安定的な入居者がいるうちに売るのも、高値売却のコツになります。