羽田空港は東京国際空港として2010年に国際線ターミナルが開業しています。
間違いなく日本最先端の空港であり、利用に便利なエリアは居住地としても高い人気があります。
賃貸マンション経営やマンション投資を考えた場合、どんな魅力があるのでしょうか。
■羽田空港周辺エリアの街
通称羽田空港は、太田区にあります。
空港が単なる旅客機の乗り降り所ではなく街化している流れもあり、ひと昔前に比べると羽田空港も大きく変貌を遂げました。
もちろん周辺エリアも開発が進んでおり、2029年には東京駅と羽田空港をつなぐ羽田空港アクセス線の開業が予定されています。
アジアのハブ空港として大きな期待が寄せられており、このエリアのビジネス的な発展も間違いないでしょう。
目玉はHICity(エイチ・アイ・シティ)という空港の大型複合施設の開業です。
イベントホールや会議場、研修滞在施設などが国際ビジネス拠点として設けられており、グランドオープンは2022年の予定となっています。
羽田空港線羽田空港国際ビル駅の近くには第2ゾーン計画があり、こちらは空港利用者向けの商業施設がメインです。
2つの大規模開発計画で空港周辺は国際ビジネスの中心地として生まれ変わり、それに伴い周辺エリアの発展も見込まれています。
また羽田空港アクセス構想も追い風です。
羽田空港と東京駅間が最短18分程度に短縮される東山手ルートが開業すれば、空港を中心とした扇状のアクセス網が整備される計画です。
こうした再開発は当然周辺エリアの不動産価格や賃貸需要に大きく影響し、ここ5年間は基準地価が緩やかに上昇、賃貸経営者や投資家、賃貸管理会社の注目を集めています。
多くの施設は多くの就業人口を生み出し、京急線沿線や蒲田駅を中心としたJR京浜東北線エリアの住宅賃貸需要も増える期待があります。
■羽田空港周辺エリアの賃貸状況
羽田空港周辺エリアで賃貸経営を考えるなら、どんな人が部屋を借りるのかがカギになります。
先ほども触れましたが、空港や関連施設で働く就業者が勤務地近くに部屋を借りるため、安定収入を得ている若い世代の一人暮らしやファミリー層が多く見られます。
空港関係者や空港勤務からのリタイア組が多く住居し、人知れず比較的裕福な層が住むエリアでもあるのです。
賃貸経営者としては手堅い借り手が確保しやすいため、経営的にも魅力は高いでしょう。
また品川まで20分もかからない割には静かな環境なため、羽田周辺だけでなく山手線方面への都内勤務の若い層も部屋を借りやすい傾向があります。
ただこうした環境も今現在の状況であり、今後羽田空港再開発や羽田空港アクセス構想が具体化すれば、さらに多くの人の流入が考えられるでしょう。
JR東日本の計画する羽田空港アクセス線(仮称)は、上野東京ラインへの乗り入れも計画に入っています。
上野東京ラインは東北本線や高崎線、常磐線、東海道本線にも相互直通運転を実施していることは周知の通りです。
つまり今後は宇都宮など北関東方面とのアクセスが格段に改善されることになるため、そちらへの通勤も視野に入るエリアになります。
出張の多い中堅ビジネスマン、若手社員の一人暮らし層など多方面へのアクセスや利便性を最も重視する層が注目する賃貸エリアに発展することが予想できます。
■羽田空港周辺エリアの家賃相場
羽田空港周辺エリアで居住できる地域としては、京急空港線の天空橋駅からはじまり、穴守稲荷駅、大鳥居駅、糀谷駅を経由する京急蒲田駅までです。
それぞれの家賃相場をざっと見てみると、マンションの新築ワンルームで駅から10分圏内なら京急蒲田駅が8.76万円と一番高く、次いで糀谷駅が8.36万円、大鳥居駅が8.19万円です。
比較的低めなのが穴守稲荷駅と天空橋駅で、7.64~7.94万円と8万円を切る相場になっています。
ファミリー向けのマンション新築になると、京急蒲田駅で13.94万円、糀谷駅が12.90万円、大鳥居駅が12.63万円です。
こちらも低めなのが穴守稲荷駅と天空橋駅で、11.97~12.31万円という相場になっています。
投資の目で見れば天空橋駅エリアの1棟アパートが2,000万円台で見つかるなど、掘り出し物件の期待もあるのです。
ただしこれらはあくまで2020年時点の情報ですので、今後空港近辺の開発が進めば上昇も予測されます。
またこのエリアは空港方面だけに注目するのではなく、品川方面へのアクセスも十分に高く、そちらに注目するとより広い可能性が見えてきます。
たとえば羽田空港の再開発と一見関連がないようにも見えますが、試金石となるのが山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」です。
高輪ゲートウェイ駅は羽田空港とリニア中央新幹線という2大交通網を将来的に橋渡しする重要なポイントです。
高輪は申し分のない不動産投資おすすめエリアですので、こちらが今後羽田空港アクセス構想とシナジー効果を生み、その影響が羽田空港周辺エリアにも及ぶ可能性はあるでしょう。