分譲マンションの賃貸経営においては空室対策が欠かせません。
空室対策というと退去者が出てもすぐに入居者が見つかるなど、回転率を良くするための対策や管理会社に家賃保証をしてもらうなどの対策が一般的です。
継続的に満足のいく収益を得たのであれば、長く住んでもらうことで空室リスクを避ける工夫も大切です。
そこで、退去を防止できる、賢い空室対策についてもご紹介していきます。
■分譲マンションの空室対策でよくあるパターン
分譲マンションのオーナーにとって、空室は絶対に避けたいところです。
当然ながら空室が出れば、家賃収入に直接影響が受けます。
特にマンション投資のため、ローンを組んで分譲マンションを新たに購入された場合、家賃収入をローンの返済に充てられなくなれば自己負担しなくてはならなくなり、賃貸経営が赤字化するおそれもあるため注意しなくてはなりません。
空室リスクを避けるためにオーナーが検討する選択肢の一つとして、不動産管理会社による家賃保証や借上げ保証があります。
空室の状態であっても、約束した家賃を不動産管理会社が払ってくれるというものです。
空室リスクを不動産管理会社が負担してくれるもので、リスクを分散できるのはメリットです。
一方で、リスクの分散にも費用がかかります。
例えば、入居者には15万円で貸していても、不動産管理会社から毎月支払われるのは10万円など、家賃保証をする費用が差し引かれてしまうのです。
もし、継続的に入居者が入る人気の物件であれば、本来得られる収入を逃がすことになりかねません。
■継続的に住んでもらうための対策がポイント
満足のいく収入を継続的に確保していくためには、入居者がすぐに見つかる人気物件にするのと同時に、長く住んでもらえるための対策が必要です。
まずは、地域で人気がある分譲マンションの仕様をリサーチし、ターゲットにしたい入居者のライフスタイルやニーズについて研究してみましょう。
最近の入居希望者に人気の間取りや設備にリフォームすることや敷金、礼金なしのフリーレントで最初の入居者を獲得するといった対策を講じます。
同時にせっかく見つかった入居者に長く住んでもらうための対策も実践しましょう。
例えば、壁紙のリフォームをあえて残しておき、入居者が好きなカラーやデザインを選べるようにするのはいかがでしょうか。
壁紙のリフォームはすぐに終わるので、入居者を待たせる心配もありません。
自分テイストの部屋になれば、長く住みたいと愛着もわき、自分で選ばせてもらったのだからと引っ越す気持ちも抑えられるのがメリットです。
もう一つの対策は、契約期間を3年など長めの設定が挙げられます。
一般的な賃貸物件の契約期間は2年ですが、あえて長くすることで長く住んでくれる入居者を見つけることにつながります。
引っ越し経験がある方は引っ越しをするたびに多額の費用がかかることを理解しており、長く落ち着いて住める自分好みの物件を見つけたいと思われている方は多いです。
3年契約の物件を選ぶ人は少なくとも3年、それ以上に長く住みたいと思うからこそ、契約を申し込んでくるはずです。
2年契約の場合、2年を待たずに引っ越す人も少なくありません。
3年契約にすれば、中途解約につながる方でも、少なくとも一般的な契約期間である2年以上は住んでからということが多くなり、少しでも長く住んでもらえます。
また、中途解約リスクを避けるためには、部屋が空室になってから空室対策を行うのではなく、空室になる前からの対策が必要といえます。
入居者に対して定期的に要望や不満をヒアリングし、必要に応じてリフォームを行ったり、設備追加の提案を行ったりすることで退去を防ぐ努力も大切です。